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    子育てをする上で役に立った心理学的視点4選

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    はじめに

     僕は臨床心理士・公認心理師として働いているのですが、子育てをしているときに、「このスタンスって子育てに役立っているな」と思うことがたびたびあります。

    そこで今回は子育てに役立つ心理士的な?心構えを紹介したいと思います。

    自分と相手を切り分ける

    自他境界を区別すると言われることもありますね。

    これができていないと、「この子のためなんだから」と親の考えばかり押し付けるようになってしまい、子どもが何に反応しているのか、本当はどうしてほしいと思っているのか気づけなくなってしまいます。

    自分と相手が違うってことは皆さん、もちろんわかっていると思います。

    でも、自分が正しいと思っていること、やりたいことってつい相手も同じように思っていると思いがちじゃないでしょうか?

    そうなるとたくさんのコミュニケーションの問題が出てきます。

    ・相手にイライラしちゃう

    ・どうしてわかってくれないの?と責める

    ・相手が話を聞いてくれない

    など挙げたらキリがありません。

    このように自分と相手が違うということをしっかりと認識しないとうまくいかないことばかりになってしまいます。

    特に子育ては自分と子を切り分けるのがとても難しくなってしまいます。

    「この子のため」

    この言葉が出たときは要注意です。

    「この子のため」と思っているのは誰でしょうか?

    そう、自分です。

    子どもは「私のためにやって」など一言も発していません。

    でも大人はたくさんの経験から未来を想像することができますし、子どもよりもきっとうまいやり方をたくさん知っていると思います。

    でも、それを子どもに押し付けるだけじゃうまくいきません。

    子どもは余計に反発し、大人はさらにイライラするでしょう。

    そうではなく、まず「自分は自分」「子どもは子ども」と気づくことが大事です。

    それができるだけで、行動の選択肢が広がります。

    そうすると心に余裕ができるので、子どもとぶつかることが減り、イライラが少ない子育てができるようになります。

    注目は最大のご褒美

    注目は最大のご褒美です。

    人間は注目がないと生きていけません。

    想像してみてください。

    誰も自分に気づかず、話しかけても何も反応がない世界を

    これだけでどれだけ他人からの反応が大事かわかるはずです。

    特に子どもにとって、大人の注目というのは生き死にに関係する重大な事柄です。

    大人から注目を向けてもらえなかったら食事、排泄、寝ることだって1人ではできません。

    だから、子どもは大人が見ててくれるだけでとっても幸福を感じます。

    僕は普段から娘が何かしたわけでもないのに抱きしめたり、頭をなでたりすることがあります。

    これには自分なりの意味があって、「あなたはあなたでいるだけ、それだけでいい」というメッセージを伝えたいからです。

    子どもと会話するときはスマホはおいて身体全体を向けて目をみて話しますし、子どもが駆け寄ってきたときはやっていた作業をひとまずおいて、身体全体を向けて対応します。

    このように目だけでは泣く、身体全体を使って、「あなたをみているよ」というメッセージを伝えるようにしています。

    ただそれだけではなく、注目はしつけにも有効です。

    娘がご飯を床に落とす、モノを投げるなどの不適切な行動をしたときは、真顔で淡々と対応します。

    娘が笑いかけてきても笑い返さずに娘にも片付けを促します。

    ここでは注目の強度を下げて、「その行動は認められない」というメッセージを投げかけています。

    このように対応することで、不適切な行動は減っていきます。

    「注目は最大のご褒美」

    このことを知ったことでお金や物に頼らずに自分の身体1つでしつけができるようになったのはとても良かったと感じています。

    「~するな」は「死ね」と言っているようなもの

    子育てをしていると「~しないで」とよく言いたくなりますし、言ってしまいます。

    僕も全然「~しないで」と言ってしまうのですが、これは心理学的によくありません。

    「~しない」というのはどのような状態か考えたことがありますか?

    例えば、「動かないで」と言われた人を想像してみてください。

    あなたの中でその人は直立不動で立っているかもしくはただ横になっているのではないでしょうか?

    その人に生気は感じられますか?

    このように死んでいる人間でもできることが「~しない」ということです。

    言い過ぎかもしれませんが

    「~しないで」≒「死ね」

    上記のような関係が成り立つのです。

    だから、娘が騒いでいておとなしくしてほしいときは何か気を紛らわせられるおもちゃを用意したりするようにしています。

    子育てしているときはやってほしくないことも多いですが、それだけに目を向けずに、「ちょっとマシ」な行動に注目して、やっても良いことをやるように促したいものです。

    「~しないで」と言われるよりも「~はしててもいいよ」の方が子どもはわかってくれる気がします。

    ストレスという視点

    子育てってやろうと思うえば無限にやることがありますよね?

    子どもにとってあれがやら、これがいいやら、世の中そんな情報であふれかえっています。

    確かにそれをやってあげられたら子どもにとっては良いかもしれないですけど、大人にはそんな余裕も時間もありません。

    それにそれをやることが子どもにとっては良くても親が楽しくなかったり、イヤイヤやっていたらどうでしょう?

    ストレスですよね。

    それに、ストレスを抱えた大人が子どもに接するのは悪影響だと容易に想像できるはずです。

    このように子どもにとっては良いかも知れないけど、大人にとってストレスなことはあきらめることにしています。

    できる範囲で楽しくできれば良いんじゃないでしょうか。

    それに一時的に良い子育てをやっても継続しなければ意味がありません。

    だから、子どもにとって良いかどうかだけじゃなくて、親にとってストレスかどうかもそれをするかどうかの判断基準になっています。

    子育てじゃなくてなんでもそうだと思うんですよね。

    小麦粉は身体に悪いとか言われますけど、小麦粉をずっと我慢した場合、身体は健康かもしれないけど心がどんどん不健康になっていってそれって結局マイナスなんじゃないかと思うわけです。

    だから、子育てで周りよりやってあげられないことがあってもそれで良いんだと思います。やれることを楽しく継続することが一番なんじゃないでしょうか。

    まとめ

    心理学を勉強したことで身に付いた視点を4つほど書いてみました。

    心理学と言えるほどのものもありますが、これまで心理士として働いてきたからこそ持つことができた視点かと思いブログにしてみました。

    それぞれの視点だけで1本のブログにできそうなので、また深く記事にしてみることも考えてみようかと思います。

    最後まで読んでいただきありがとうございました。

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